2001年12月15日土曜日、JR秋葉原 電気街口改札にて

　　いつもとかわらぬ電気街口の喧騒。

　年末の秋葉原を大手量販店の紙袋を抱えながら嬉々として歩いている。
　ある意味特殊な臭いの人々がここを通る。
　人の数だけ物欲が渦巻く空間というものが本当にあるのだ。

　その中で不思議な人物を見かけた。
　出入り口の柱の下にしゃがみこみ鞄を開く。
　そこからスカーフを取り出し、見かけたことのないヒートシンク（CPUFAN付）を
　2〜3個くくりつけているのだ。

　首に巻くためなのか？


　・・・　まぁ、あまり関わらないほうがよいだろう。

　14：56。
　約束の時間までもうすぐだというのに誰もこない。
　いつまでもここで考現学のようなことをしていなければいけないのか？

　この妙な不安は、
　
　これから起こる散財の数々、

　悪魔の笑い声の序章に過ぎなかったのだ。